不動産の売却と譲渡所得税
不動産の売却 関連項目
相続不動産の売却
相続によって取得した不動産を売却する場合、被相続人の名義のままでは売却することができません。そのため、名義変更の登記申請後、売却という流れになります。
その際にかかってくる税金についてご案内します。
◇ 登録免許税
登記申請する際に、国(法務局)に納めるものです。
資産(不動産、船舶など)の権利に移転や変更があった場合には、その移転や変更を登記する際に課される税金です。
◇ 譲渡所得税
不動産の売却によって生じた所得を譲渡所得といいます。譲渡所得に対しては、他の所得と分離して「所得税」と「住民税」が課税されます。不動産を購入した時より高い価格で売却ができた場合に差額部分に対して課税されます。
計算方法 : 譲渡所得×譲渡所得税の税率=譲渡所得税
譲渡所得
譲渡所得の計算は次の通りです。
譲渡収入金額-(取得費 + 譲渡費用) = 譲渡所得
*譲渡収入金額:土地や建物が売れた金額
*取得費:土地や建物の購入代金、購入手数料(登録免許税、登記手数料)など
*譲渡費用:土地や建物を売るために直接要した費用(仲介手数料、測量費、登記
や登録に要した費用)など
※購入価格が不明な場合は、「譲渡収入金額の5%」を取得費として計算できます。
譲渡所得税の税率
譲渡所得税の税率は、不動産の所有期間によって異なります。所有期間の判断基準は「不動産を譲渡(売却)した年の1月1日時点で5年を超えているか、否か」です。5年を超えると「長期譲渡所得」、超えていないと「短期譲渡所得」となります。
区分 | 所得税 | 住民税 |
長期譲渡所得 | 15% | 5% |
短期譲渡所得 | 30% | 9% |
譲渡所得税を減らすために
購入時の経費や売却時の経費をきちんと計算し、譲渡所得の金額を低くすることで節税につながります。また、相続不動産を売却する場合は、被相続人がその不動産を所有していた期間と購入価格などの取得費を引き継ぐことができます。
さらに、以下の要件を満たす場合は、特例が適用されます。
- 相続により財産を取得した者
- その財産を取得した人に相続税が課税されている
- その財産を相続税の申告期限の翌日以後3年を経過する日までに譲渡している
相続税の取得費加算の特例により、相続税の一部を「不動産を取得するのにかかった経費」として加算し、所得譲渡益を抑えることで税金の軽減にもなります。