ご相談事例

相続についてのご相談:福岡市 F様

Q:最近、法改正があり被相続人の相続人ではない親族でも、被相続人の療養看護をした場合、相続人に対して金銭を請求できるようになったと聞いたのですが。(福岡)

私は義父が亡くなってから、福岡で夫と義母と一緒に暮らしていましたが、10年ほど前から義母の病状が悪化し、介護が必要になってしまいました。夫には弟がいるのですが、遠方に暮らしており、介護をするのは難しく、夫も仕事が忙しいため、私1人で介護することになりました。その1年後、不慮の事故で夫は亡くなりましたが、義母の介護は今まで通り、私1人でしてきました。先月、義母が亡くなりましたが、私達夫婦には子供もいなかったため、義弟がすべてを相続し、長い間献身的に看病と介護をしてきた私が義母の財産を受け取れないのは腑に落ちません。友人から、最近法改正により、相続人ではない親族が相続人に対して金銭を請求できるようになったと聞きましたが、制度の仕組みについて詳しく知りたいです。(福岡)

 

A:被相続人の相続人ではない親族は、相続人に対して特別寄与料の支払いを請求することが認められるように法改正されました。

2019年7月1日の民法改正により、特別の寄与の制度が創設されました。

「特別の寄与の制度」は、被相続人に対して、無償で療養や看護などにより、被相続人の財産の維持や増加について特別の寄与をした被相続人の相続人ではない親族(民法に規定された3親等内の姻族など)は、「特別寄与者」として、相続人に対して、特別寄与料の支払いを請求することを認める制度です。ご相談者様の場合、無償で献身的にお母様の介護をされていたということですので、特別寄与者の対象となる可能性があります。

なお、特別寄与者から相続人に対して、特別寄与料の支払いの請求をしても、協議が調わないときなど、協議ができない場合には、特別寄与者は、家庭裁判所に対して協議に代わる処分の請求ができます。その場合、家庭裁判所で特別寄与料の額が決められます。

相続人が複数人いるときは、特別寄与料は各相続分で負担します。ご相談者様も、亡きご主人の弟様に特別寄与料の支払いを請求できると考えられるでしょう。ご自身で請求することが難しい場合は、専門家にご相談することをお勧めします。

 

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